最近のアクセス:
GeneXus X と GeneXus 9.0 の開発サイクルの違い

モデルでの作業

GeneXus 9.0 まででは、開発者は、システムを論理的に表した設計モデル (物理的なデータベースや実行可能なアプリケーション プログラムはありません) と、実行するプラットフォームに関連付けられているプロトタイプまたは本番運用モデルを取り扱いました。
つまり、デザイン モデルは、どのプラットフォームにも関連付けられておらず、記述的な情報が格納されていました。
一方、各プロトタイプまたは稼働モデルは実装プラットフォームに関連付けられており、そこには、特定のプログラミング言語のソース コードの作成に使用するジェネレーターの情報や、DBMS への論理接続および物理接続を提供するための情報が含まれていました。
 イメージ:6554.jpg

図.1 - 旧バージョンの GeneXus のモデル

これは、モデル間の作業方法に意味のある違いがあることを示しています。デザイン モデルでは、主にトランザクションを通じて、システムを記述するオブジェクトを定義します。これらのオブジェクトを使用して、データベース構造を作成または適合させるための情報が抽出されます。それに対し、システムに動作を追加するオブジェクトはプロトタイプまたは稼働モデルで定義されます。
プロトタイプまたは稼働モデルに対して行った変更は、デザイン モデルに自動的にコピーされます。その他のモデルは、選択されている場合に変更を受け取り、このモデルとデザイン モデルの間で影響分析が実行されます。選択されなければ、そのモデルは変更されません。
この作業方法では、更新されたモデルが必要になるたびに、アナリストはモデルを選択して、変更箇所の影響を分析する必要があります。その他にも細かい点に注意が必要になります。アナリストはデザイン モデルに対してコンポートに関する情報のみを追加しないようにしなければなりません (つまり、ルールのみを追加)。これは、GeneXus が影響分析を実行するときに、データベースに対する変更がまったく検出されないことがあるためです。この場合、再編成は行われず、プロセス全体の最後のステップであるモデルのコピーも行われません。
その結果、選択したプロトタイプまたは稼働モデルに変更は反映されません。アナリストは、モデルのコピーを実行して更新されたコピー先モデルを取得するために、影響分析を強制的に実行する必要があります。
ターゲット モデルで行った後、必要なプログラムが分析、コンパイルされ、最終的に、モデル パラメーターで指定された対象のプラットフォームでアプリケーションが実行されます。
GeneXus X では、次に示すように、もっと簡単な仕組みが導入されています。

新しい概念: 環境

GeneXus X では、モデルの概念は環境の概念に替わりました。環境は、実装プラットフォームの情報 (つまり、生成言語とアクセス データベース) が定義される場所です。
GeneXus X でアナリストが行うアプリケーション開発作業には、オブジェクトへのシステムの記述と動作の追加の両方が含まれます。これは、アナリストが書き込む情報の内容や場所を考えずに自由に作業できることを意味します。書き込まれた情報は、書き込んだ場所と内容に関わらず、すべてナレッジベースに格納されます。
つまり、GeneXus X には旧バージョンと異なり、唯一の作業場所が存在し、そこで情報が何らかの形でモデルに分割されています。したがって、モデル間での更新は行われません。見方によっては、デザイン モデルとプロトタイプ/本番運用モデルがユーザーに透過的に統合されたといえます。
イメージ:6555.jpg

図.2 - モデルから環境への転換

アプリケーションを実行する必要がある場合、開発者は環境で実装の詳細情報を定義し、(F5 を押して) アプリケーションを実行するよう GeneXus に指示します。
この操作だけで、アプリケーションの実行に必要なすべての手順 (データベースの変更、実行するプログラムの生成とコンパイル、アプリケーションの実行) が自動的に行われます(ビルド プロセスを参照)。
実装プラットフォームは、環境で定義された情報によって異なります。
各種プラットフォームではアプリケーションを実行するために複数の環境を作成できます。この場合に必要な操作は、実行する環境で [ Set as target environment ] を選択して F5 を押すことだけです。これで選択した環境がアクティブになり、その環境に格納された情報を使用してアプリケーションが生成されます。
アプリケーションの実装も、アクティブな環境を変更するのと同様に容易に変更できます。

旧バージョンの環境の存在

旧バージョンにも環境の概念は存在していました。この点は指摘しておく価値があります。
旧バージョンでは、特定のプログラミング言語のプログラムを生成するために各モデルで使用できるジェネレーターのタイプと、そのプログラムの実行時に使用するインターフェース (Windows または Web) のタイプを、環境によって定義することができました。
各モデルでは既定の環境がナレッジベースとともに自動的に作成され、その環境がデータベースの作成と再編成に使用されていました。また、複数の環境を追加で定義することもできました。
これらの環境はデザイン モデル内に作成されていました。その他のモデルでは、各環境を特定のジェネレーター (Visual Basic や RPGなど) や実行インターフェース (Windows または Web) に関連付けることができました。このように、同じ環境に対してモデルごとに異なる定義を設定できるようになっていました。

GeneXus X より以前のバージョンでは、環境はジェネレーターとユーザー インターフェースの割り当てにのみ関連付けられていました。アクセスするデータベースは、データストアを作成することによって選択され、環境とは独立して定義されていました。
これに対し、GeneXus X では、環境とは、実行プラットフォームに関連するすべてのもの (対象プラットフォームのジェネレーター、データベースへのアクセス、ユーザー インターフェース、その他のプロパティの定義など) を意味します。

サブページ
Created: 14/09/18 03:19 by Admin Last update: 15/01/09 02:14 by Admin
カテゴリ
Powered by GXwiki 3.0